Aさんはこの日のために、夕凪での活動時間を利用して大きな帽子や魔法の杖を作り上げました。
嬉しそうに写っているAさんですが、理想の魔女になりきるまで、約1か月の時間を要しました。ここでは、興味があることへの集中力と、Aさんが納得いくまでこだわって取り組んだ姿をご紹介いたします。
まずは、Aさんがなりたい魔女のイメージ作りから入りました。一般的な魔女は、「魔法の使える老婆」をイメージされますが、彼女の場合は、「魔法の使える可愛い少女」です。
数種類の可愛い魔女をネットで引っ張りますが、イメージ通りの魔女には程遠いとこだわるAさん。数十種類の魔女を一通り見ても決まらず、職員の提案で可愛い魔女の要素を組み合わせたウルトラ魔女のイメージ作りが完成しました。
10月31日までに必要なグッズ作成計画を立てると、意欲的になっているAさんには時間を要しません。職員が作成した手順書を基にどんどん仕上げていかれます。いつもなら出来上がりの作品は「家族に見せるんだ!!」と言い張り、持って帰るAさんですが、10月31日のハロウィンまで我慢している様子でした。
ハロウィン当日、Aさんは「Trick or Treat!」(お菓子をくれないといたずらするぞ!)と言いながら、職員やお友達に手紙をプレゼントしてくれます。まさに斬新な逆「Trick or Treat!!」(受け取らないといたずらしちゃうぞ!)夕凪の皆が笑顔になる幸せの魔法をかけてくれました。
子どもたちの発想力にはいつも驚かされます。自然体で素直に喜び、充実感に満ち溢れた姿を見ることが、我々職員の活力にも繋がっています。
子どもたち1人1人の強みを活かし、充実感や達成感が育めるよう、個性を大切にしようと職員で話し合った1日になりました。
放課後等デイサービス夕凪 瀧岡 哲